デートでスベる潤平
大好きなシロップ・サボンを選んだのが間違いだったか。
潤平はデートでスベりまくる。
ベアトリスそっちのけで作品に没頭。
付き添いにきた兵ちゃんに話かけまくる。
気を遣った兵ちゃんは帰ろうとするが、潤平はなぜが必死でひきとめる。
ベアトリスに対してはどうしていいかわからんのに、兵ちゃんにからみまくる。
ヘタレである。
兵ちゃんからふたりへアシスト。
ベアトリスの携帯へふたりのツーショット写真を送る。
「モデルみたいだ。お似合いじゃん。」
「こんな2人の『コッペリア』絶対成功じゃん。」
「楽しみにしてるわ!」
そのまま兵ちゃんは美術館をあとにする。
あとは潤平の責任だ。
なんとかせな。
ふたたび兵ちゃんのゲイ疑惑
ひとりで帰る兵ちゃんはさみしげだ。
黒ぶちメガネがくもって、物思いにふける。
3月のライオンの桐山零みたいな繊細さをただよわせる。
セントラルパークを歩くうちに感情がたかぶり、
ついに兵ちゃんは走りはじめた。
ベアトリスの心配はあたっているかもしれない。
兵ちゃんは潤平を好きなんじゃないか?
デート敗北からの逆転なるか?
潤平はもう兵ちゃんへ逃げることはできない。
それなのにまたもや作品の世界へ引き込まれてしまった。
ベアトリスそっちのけ。
最悪である。
ベアトリスがひいている。
我に返って潤平はあせる。
はじめはあんなにウキウキしていたベアトリスが冷めている。
がっかりしているのだ。
日本でのトラウマがよみがえる。
紅乃さんとのデートも失敗だった。
ベアトリスのコンプレックス
しかしベアトリスからの発言は思いがけない内容だった。
ベアトリスは自分が悪いと思っているのだ。
自分に魅力が足りないせいで、潤平がノッてこないと悲しんでいる。
パドゥドゥがうまくいかないのも自分に大人の魅力が無いせいではないかと悩んでいる。
まさかの劣等感。
生川にいた響(ひびき)さんと同じ悩みだ。
自分の好きな人が自分を愛おしく想う時、
どう触れられるのか、そんなの、
わたしは知らない。
涙をこぼしてベアトリスは告白する。
潤平の逆転はなるか?
まったくいいところなしで敗北しているかと思ったが、
どうやら状況はちがっていたらしい。
ベアトリスの痛みをいやさなければならない。
こういうのは潤平の得意分野だ。
行け!
潤平は大声で告白する。
必死である。
静かな美術館に響きわたる潤平の愛の言葉。
頬を赤くして潤平をみつめるベアトリス。
とおりがかった皆さんが拍手と歓声で2人を応援する。
まるでハリウッド映画のワンシーンだ。
潤平の勢いは止まらない。
「舞台でベアトリスを愛して愛して愛したおす・・・!!」
「そのために!ちょっと決着つけてくる・・・!」
ベアトリスをのこして美術館を出た。
潤平はイギリスにいる夏姫に断りをいれたいのだ。
正直すぎる。
ベアトリスはどうしたらいいんじゃ?
潤平はあほだ。
子供っぽすぎて逆にまわりを傷つけている。
眞鶴さんにいろいろ教えてもらうべきだった。
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