録画で見る仙台グランプリ
思いがけなく仙台グランプリを見ることになってしまった。
セレブ蔵内(くらうち)の自前で撮影班を手配していたのだ。
たたらはひたすら気が重い。
兵藤・花岡組(清春としずく)がでる。
赤城兄弟組(ガジュとマコ)も岩熊・美野組も出る。
ここブレスで知り合った猫渕・来栖組も出る。
たたらは自分の顔をパンパンたたく。
ソファの両どなりに座る蔵内と鈴鹿ねえさんがビビるくらいの激しさだ。
たたらは感情がたかぶって画面を見ていられない。
蔵内は三笠宮杯しか出ない。
たたらの隣で、蔵内はおだやかに座っているが負けないくらい心が波立っているらしい。
「出場している皆さんが羨まし過ぎて目から血が出そうです」
にこにこ笑いながら感想を述べる。
蔵内はグランプリどころか国内戦にはほぼ出ない。
でるのは三笠宮杯のみ。
最終選考会だけ出場して本選出場権を得てしまう。
「自粛」しているとの説明だが、なにやらわけありである。
ソファーに袴田(はかまだ)も乱入してきて4人がけになった。
仙台グランプリで誰が優勝するのか?
にぎやかに賭けが始まる。
袴田の事情
袴田はガジュ・まこペアにかける。
このペアは袴田の教室の生徒だったから身内だという。
袴田の実家はダンス教室なのだ。
将来、袴田はターンプロして社交ダンス教室を継ぐことが決まっている。
「俺、逃げらんないの」
袴田は運命を受け入れている。
教室で接客なんて好きでもないが、重圧に耐える覚悟がある。
蔵内の事情
進路の話がたたらにふられた。
たたらは将来どうするつもりなのか?
ダンスをやりたいが、父に遠慮して言い出せない。
ダンスを始めたことすら言っていない。
父を振り回したくない。
蔵内が聞きたかったのはそういうことではないらしい。
ダンスをすることで自分の価値観が根本的に変わった。
そのうえでどう生きていくか、をたたらは考えているのか?
ダンスを始めたことでたたらは変わったはずだ。
別人となったいま、どんな人生を選ぼうとしているのか。
根本的な「生き方」の問題を聞きたいのだ。
蔵内はダンスをやめることを前向きに考えている。
自分の力で会社を起こし社交ダンスのスポンサーとなりたい。という。
壮大な構想だ。
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