ボールルームへようこそ#ネタバレ#最新話#１２巻#６４話

仙台グランプリをテレビで鑑賞

仙台グランプリの決勝戦が始まる。
目の故障のせいで、たたらはグランプリに参加できなかった。
鎌倉のダンススタジオ「ブレス」でテレビで見守ることになる。

「ブレス」には日本国内の競技ダンスのエリートたちが集まっている。
トップエリートでありながらグランプリに参加しなかったメンバーが
たたらといっしょに、同じ室内で仙台グランプリを鑑賞だ。

兵藤組への声援

１年あまりのダンス経験を経て、たたらには以前見えなかったものが目に入るようになっている。
たとえばそれは出場者の気持ちだ。
才能があり、努力を積み重ねてきた人たちがどんな思いで踊っているのか
たたらは嫌というほど見聞きし、自分でも経験してきた。
特にダンススタジオ「ブレス」に集まっているのは日本を代表するメンバーだ。
競技ダンスを踊るにあたって、背負ったものが大きい。

あらためて仙台グランプリを見ると気になるのが「声援」だ。
清春ばかりがやたらと応援される。
「兵藤くーん！！」
「５０２番！」
「５０２！！」
「清春ぅー♡」
これはやりづらい。
清春もやりづらいし、まわりもやりづらい。

「大人気アイドルパワー」

たたらと共にテレビ鑑賞しているメンバーにも気まずい雰囲気が流れる。
「兵藤英雄・マリサがカリスマだったから
大人気アイドルパワーのご子息すごーい・・って」
気まずい雰囲気の理由を、袴田が端的に説明してくれた。

ようするに清春の評価が高いのは親の評判を借りているからである、ということか。
プロ野球で言うところの長嶋茂雄と長嶋一茂みたいな。
親のほうがあまりに天才的すぎて正常な評価ができなくなっているとうことか。

たたらからすれば清春はすごい、天才だ。
あわてて周りに確認する。
が、返ってくるのはどこか切れの悪い回答だ。
ダンスに関して１流で、尋ねれば明晰な答えがすぐ返ってくるはずのメンバーなのに。
清春についてはしがらみが重なっているらしい。

１年前の替え玉出場

たたらは１年前の替え玉出場を思い出した。
あれはとんでもないことだったんじゃないか。
清春にとって初出場の三笠宮杯。
凄まじいプレッシャーの下で、故障で動けなくなっていた。

２巻４話　たたら　替え玉出場

仙石にそそのかされて、たたらは清春の衣装を着てしずくと踊った。
何も知らんと、しれっと。
挙句の果てはばれて清春は謹慎である。
今さらながら大変なことをしたのではないか。
たたらにもことの重大さがわかってきた。

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