社交ダンス

【パートナー ネタバレ】文庫版第1巻 5

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メガネ男の挫折

コンタクトレンズの普及していない時代

「踊り手は近視ではだめなんですって」

(名香智子『パートナー』文庫第1巻283ページ)

社交ダンスをはじめた茉莉花(まりか)の前に、長身の男が現れる。

色つきメガネをかけ、余裕たっぷりの態度だった。

退学になりたくなければ神(じん)との

パートナーを解消しろと脅し、

志文は、茉莉花のパートナーにおさまった。

優秀な男、志文

シモンは優等生だ。

バレエ学校の生徒だった。

パリのオペラ座にいた。

その後18歳でT大医学部に入学。

つねにトップ。

社交ダンスもまたたくまに身につけていく。

バレエの経験があるため、

体をイメージどおりに動かせるのだ。

うらやましい話だ。

プロダンサーである赤目(あかめ)の

ダンスを見ただけで、

自分でダンスを組み立てる。

競技会ですべてが反転する。

志文は自信があった。

余裕で優勝できるはずだったのに

とつぜんフロアで踊れなくなってしまった。

クラシックバレエの素養があだになったのだ。

精密に計画して、そのとおり踊るため

想定外の動きができない。

つまり、フロア上で

ほかのダンサーたちをよけることができない。

ふたりは棄権する。

指紋はダンス教室に来なくなり、

T大もやめてしまった。

日本を離れる志文を見送りに、

茉莉花は空港へ行く。

志文の秘密

空港で、シモンの挫折が明かされる。

実はパリのオペラ座は

退学させられていた。

近視だから、はねられた。

いとこと結婚するつもりで

日本にきたけど、だめになった。

うっかり子どもができてしまった。

そのあげく茉莉花にふられたので、

日本を出ることにしたのだ。

 

失敗の連続だ。

コンタクトレンズがあれば、

バレエが続けられたのに。

避妊しとけば、中絶手術に

立ち会うこともなかったのに。

ちょっとしたことで人生がかわってしまった。




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