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【パートナー ネタバレ】文庫版 第2巻 2

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留学の意味はどこにあるか?

 




 

茉莉花(まりか)と神(じん)はイギリスへダンス留学することになった。

ところが茉莉花はダンスの基礎がまだ身についていない。

そして英語が話せない。意思疎通すらむずかしいのに、

今の状態で留学して意味があるのか?

 

わざわざイギリスに行く意味はある。

言葉以外から伝わるものも多いからだ。

 

ダンスや演奏のように、体を使う芸術は見て覚えることが多い。

先生から伝えられる伝統的なやり方を、自分の体に染みこませて習得する。

正統な技術を受け継いだ先生をえらべば、無駄な努力をせずに済む。

 

茉莉花たちは1日1時間のプライベートレッスンを受ける。

モダンとラテンそれぞれのイギリスでも最高の指導者に教わる。

そして基礎を身につけるためにバレエのレッスン受ける。

毎朝はやく起きてランニングする。

空き時間は安いスタジオで練習する。

英語学校での勉強もある。

体にハードで、金のかかる暮らしになる。

 

「ダンサーはマラソン・ランナーのようだ

同じことのくりかえしで汗を流す」

「何時間も何時間も-」「毎日毎日-」

(名香智子『パートナー』小学館文庫第2巻306ページ)

 

習得に時間がかかるため、ある程度すなおで

聞き分けがよい生徒でないと厳しい練習に耐えられない。

先生の動きをみて、やってみる。

できない。

どうしたらああいうふうに動けるのかやってみる。

もういちど手本を見直す。

英語ができれば、会話して解決の糸口を探す。

だが教師自身もどうすればいいか言葉で伝えきれないことが多い。

生徒があきらかに間違ったやり方をしていればノーと言えば済むが。

自分が受け継いだ伝統を伝えるには言葉だけでは圧倒的にたりない。









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