社交ダンス

【ボールルームへようこそ ネタバレ】3巻8話

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競技ダンスの試合前あるある

とうとう天平杯の日が来た。

はじめてエントリーした試合だ。

ガジュに宣戦布告してから2ヶ月

あっという間に本番当日である。

たたらは仙石から燕尾服をもらった。

首筋に自分でカミソリを当てて髪型を整える。

シルエットをよくして得点を狙う。

「たたらさん燕尾服素敵です」

相方のまこもドレスを見せに来た。

「たたらさんの選んでくれたドレス」

「どうですか・・・?」

まるで結婚式の下見のようなシーン。

たたらは照れて言葉が出ない。

ここは全力で褒めろ。

仙石に叩かれて、たたらは声援を送る。

「つ・・強そうだよまこちゃん!」

「ダンサーっぽいよ」

まこは衣装を直す。

ガジュから「つるぺた」と指摘され

胸に大量のパットを仕込んできた。

「大きくなったねまこちゃん!」

すべてはダンスのためである。

勝ってやる。

たたらはいまだにガジュに怒っている。

ガジュがまこを離れて

しずくと組んだことが許せない。

自分の親が離婚しているから

残されたものの気持ちをほっておけない。

この試合に勝って、ガジュをまこに連れ戻す。

よく分からない理屈だが

おかげで、たたらは自分を奮い起こす動機がある。

初めての競技会は怖くて当然

開会式が始まる。

早くもたたらは震えている。

まこも震えている。

競技会は「戦場」だ。

大きな会場で人前で踊る。

動けるんだろうかと不安になる。

自分たちの踊りがすべて。

「怖くて当然」

まこの手を握ってフロアに踏み出す。

たたらは仙石からの注意事項を

頭の中で難度も復唱する。

「いつも通りいつも通り」

・姿勢まっすぐ

・腕の枠しっかり

・笑顔で

本番では身体にしみついた動きが出てしまう。

たたらは、思わず兵藤の振り付けで

ワルツを踊ってしまった。

三笠宮杯替え玉でやった振り付けだ。

難度の高い動き。

「ワルツは笑え!」という

仙石のアドバイスを意識していたら

ついついやってしまった。

見ていたガジュに火がつく。

ガジュは怒っている。

ガジュはしずくを自分のものにしたい。

「兵藤としずくの振り付け」を

あっさりたたらに盗まれるのが悔しい。

ガジュは怒りをタンゴにぶつける。

猛然としずくを振り回してタンゴを踊った。

フロアで完全に無視される。

たたらとまこは、相変わらず震えている。

ワルツはよかったが、ガジュのタンゴを見て

気持ちが素に戻ってしまった。

自分たちのタンゴではガチガチで

まともに動けなかった。

ぎりぎりで予選通過。

しかし次はガジュ達と同じ組で踊るのだ。

ガジュとしずくは圧倒的にうまい。

一緒に踊ると残酷なまでに思い知らされる。

見てもらえないのだ。

観客の視線が上手いカップルに

いやおうなく持って行かれるので

自分たちが踊ってもそっぽを向いている。

わざとではなく自然にそうなる。

目の前で踊っているのに無視される。

実力差である。

 

見てもらえなければ何にもならない。

たたらはクイックステップで勝負をかける。

音楽が始まるなりダッシュでフロアを突っ切り

目立つ場所を確保する作戦だ。

 

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