社交ダンス

【ボールルームへようこそ ネタバレ】4巻13話

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ガジュ・しずくペアの不調

天平杯決勝ソロ演技で思わぬことがおこった。

ガジュがとつぜん調子を崩したのだ。

パートナーしずくの進路をふさいでしまった。

ワルツで歩幅が合わない。

タイミングがずれる。

立て直せなかった。

観客からの拍手の中

ガジュは歯ぎしりする。

「最悪だ」

「ダンスに集中しきれなかった」

悔しさのあまり涙が浮かぶ。

あのガジュが泣く。

涙を落とさないよう、

ゲンコツで自分を殴って叫んだ。

「負かすで」「覚悟しぃ!」

パートナーのしずくは冷静だ。

やるべきことをやる。

落ち着いてガジュを諭す。

「ワルツは失敗したけど

あとの3種はちゃんと合わせをして

本番に集中すれば大丈夫」

待機スペースでガジュと調整しなおす。

ゆっくりとリハーサルするのだ。

タンゴでたたらとガジュが激突

いよいよ決勝戦の全員競技がはじまる。

「ここから先は、一曲一曲がお前らのラストダンスだ」

「一つ一つ踊り納めて、しずくを倒してこい!」

たたらとまこに、仙石が活をいれる。

「はい!!」

たたらとまこは大声で応える。

たたらは変わった。

全力で、頭を絞ってやってきたことが

自信に変わっている。

覚悟が生まれている。

まこも、たたらとは別な意味で変わった。

兄のガジュに頼りっぱなしだったのが、

たたらのサポートを得て、

みずから決意を持って踊るようになった。

ガジュにおいて行かれたことをきっかけに

自分を再発見したともいえる。

そもそもガジュをダンスに引っ張り込んだのは、まこだ。

すさまじい気迫でタンゴを踊りはじめる。

「タンゴは熱感」

「愛憎」

「強靱」

「激」

たたらとガジュの闘争心がぶつかり合う。

画がまるで戦闘シーンのようにかっこいい。

しずくの進化

タンゴが終わった。

あまりに激しく踊り、疲労している。

たたらもガジュも汗だくだ。

まことしずくももちろん汗だくだ。

ガジュは体が大きい。

歩幅が大きくて、しずくにとって負担だ。

「私なにやってるんだろ」

息を整えながらしずくは考える。

清春が自分を見ている。

負けたくない。

清春はどんどん成長していく。

たたらのダンスに焚きつけられて

一歩先の世界に入り込んだ。

「あなたの足が動かないうちは

私一人だって成長してやる」

しずくの闘争心に火がついた。

闘争心は意外なやり方で吹き出す。

しずくは、スローフォックストロットを踊りはじめる。

ねっとりとした足の運び。

ゆったりとした体重移動のバランス感覚。

ダンスの基礎力そのものが動きにあらわれる。

「怖い女・・・」

「男一人支えながら

なんてロマンティックな顔で踊るのかしら」

しずくは、圧倒的な実力差を優雅につきつける。

重厚感と滑らかさ。

異常な身のこなしで

しずくは会場の視線をかっさらってしまった。

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