社交ダンス

【ボールルームへようこそ ネタバレ】7巻30話

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はじめて経験する異常感覚

わけの分からない感覚に

とつぜん放り込まれた。

静岡グランプリ予選タンゴの最中だ。

タンゴは足並みがなかなか揃わない。

マリサ先生の下で基礎練を積み重ね、

きめ細かなアドバイスを受けたあとなので

以前よりいっそうズレが気になる。

千夏への距離が遠い。

動きを大きくアピールするため

後ろに反った姿勢をキープしているのだ。

その姿勢のまま、たたらに合わせようと

千夏は必死である。

そんな苦闘のさなかに、

とつぜんカウントがはまった。

「あ・・・・次のカウント」

「揃う」

同時にパートナーが消失する。

「何か変だ」

自分の体重が2倍になった感じ。

たたらは異常な感触を受け止める。

今はじめて歩き始めたような

知らない感覚。

子犬に生まれ変わったかのように不安。

よいベーシックは外に伝わる。

審査員は即座に反応している。

「うん良いベーシックだ」

釘宮とも目が合う。

釘宮の目に映るたたら組は

「もじゃもじゃ」ではなくなっている。

その他おおぜいから突き抜けた踊りを見せて

たたらは釘宮から視線を奪ったのだ。

思わず目が吸い寄せられた。

釘宮の口が開く。

「おい集中力が一瞬途切れたぞ」

「変なものが視界に入ったぜ?」

それはたたらだ。

ステップが乱れる。

釘宮は歯がみして立て直す。

放心状態のまま棄権へ

踊り終えたあとも不安が収まらない。

たたらは気持ちの整理がつかない。

燕尾服のまましゃがみこんでしまった。

次のヒートで呼び出されても

たたらは立ち上がらない。

千夏が必死に呼びかけて引っぱるが

ぼんやりと座りこんだままだ。

スローフォックストロットは踊れなかった・・・。

「さっきのは何だったのか」

「とても不思議で特別なことが起きたはず」

心の整理にいそがしくて

千夏の声が聞こえていない。

せっかく新幹線にのって静岡まで来たのに。

千夏はたたらの首をつかんで逆上する。

「たたらなんかもう二度と信じないんだから」

最悪の結果だ。

一次予選で敗退。

棄権。

「マジでどういうつもり!?」

「最後まで踊りきれないなら

エントリーなんてするもんじゃないわよ!!!」

100%正しい抗議だ。

千夏はぶち切れている。

無駄金を使ってしまった。

無駄な時間を使ってしまった。

帰りは新幹線になんか乗らない。

特急券がもったいない。

アホらしい。

たたらのせいだ。

うかうか静岡まで来て恥かいた。

ところが、たたらはまだ考え事をしている。

ぼんやりと千夏を見つめる。

 

大事な感覚をつかんだのかもしれない・・・

 

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