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【ムラサキ ネタバレ】1巻4話『君はエネルギーに満ち溢れているよ』

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ムラサキはふたたび「嵐」を踊り始める

ソラに促されて
ムラサキは踊り始める。
以前に体育の授業でやった「嵐」。
2ヶ月のダイエット修行のあとで
まったく違ったものができそうだ。

「体が軽くなったから」
息を吐きポーズを取り始める。
ムラサキの姿がアシュラ像のように美しい。
吐いた息が波だち、いくすじもの
渦巻きがムラサキをとりまく。

見るものはムラサキの体を感じる。
ムラサキを支える骨を、
皮膚の表面を流れる風を、
風が流れていく先にある
木々のざわめきを感じる。

ムラサキは宙に浮いている。
心臓が拍動して、あたたかい血が
血管をながれていく。
肺胞がふくらんで空気を取り込む。

「他人の身体感覚を
無線LANのように共有できる」
ムラサキは見るものに幻を体験させる。
「幻想と眩暈にみちた新世界」

巫女のような強烈なカリスマ性で
周りを幻惑する。
技術や経験を超えた
根源的にダンスに必要なもの。
原始的な宗教のようなものだ。

「嵐」の中断

ムラサキは跳び上がる。
信じられないほどの高さだ。
もともと強靭な筋肉を持っていた。
2ヶ月の過酷なトレーニングと
徹底的なダイエット、ヨガの訓練を経て
とんでもない身体能力をみせる。

頭上の枝に激突し
ムラサキは意識をうしなった。
翔之助がかけよってムラサキを受け止める。
ぐったりと目をつむるムラサキの腹をつまむと
ムラサキは意識を回復する。
翔之助の頭を膝蹴り。

「次の段階に来た」
翔之助はムラサキの成長を感じている。
エネルギーに満ちあふれている。
「世界の秘密を暴く段階に」
急激に進歩したためムラサキは
制御しきれなくなっているのだ。

もっと慎重にやらなければならない。
つぎは翔之助のターンだ。
翔之助にとってダンスは神聖な儀式だ。
いつもは神々に向けて踊っているが
今日はムラサキに向けて踊る。

翔之介の踊り

翔之助の踊りも宗教的なニュアンスがある。
古代のシャーマンのようだ。
おさない頃の翔之助なら
しなやかな無垢をみせた。
ソラの知っている翔之助だ。

しかし今はシルエットが違う。
成長して大人の体になっている。
さらにムラサキのをみて触発された。
全く異なった段階へ進んでいる。

翔之助が歩みをすすめると
あたりが静寂につつまれる。
ふりかえってあたりを見まわす。
見る者たちにバチバチと電流が流れる。
髪がさらに長く伸びる。
学ランのスソまでが長く伸びて
風にはためく。
まるで儀礼用の衣服のようだ。

水蒸気のようなもの
熱気のようなものが
翔之助の体を包み、立ちのぼる。
踊り始めるのだ。

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