マガジン 社交ダンス

【ボールルームへようこそ 再開!】10巻47話

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まちにまった連載再開。
竹内先生ありがとうございます。
まるで釘宮のように
休載から復帰までの長い戦いを
人知れず戦ってこられた。

ふたりの境界がなくなる

都民大会の決勝ワルツから
物語がつづいている。
社交ダンスの極致ともいえる状況が
たたらと千夏に訪れた。

ふたりの境界がなくなる。
他人と感覚を共有する。
最高にセクシーな時間だ。
体がシンクロしている。

千夏は予感にふるえる。
たたらもその時がくるのを感じている。
前に、まこと味わった感覚が
はるかに強い濃度でやってくる。

たたらの胸の中から花びらがあふれ出す。
くっきりと色づいた花びらの流れ。
流れの中に千夏が浮かんでいる。
手を伸ばして引き寄せワルツを踊る。

千夏は目をとじて体をゆだねている。
すごい速度でふたりはスピンする。
腹のあたりでたたらと千夏が溶けあっている。
僕らは今一つの力になっている

千夏のエンジンが真価を発揮する

千夏がほほえんでいる。
いままで絶対にありえなかったことだ。
リードされるのが怖くない。
自分の体を安心してまかせている。

千夏は優秀なダンサーだ。
もともと持っていた身体の強さを
今ようやく発揮できた。
たたらのセンサーと柔軟性が
千夏の強靭な筋肉と連動する。

ダブル・リーダー。
どちらもがエンジンでかつドライバー。
とくにワルツのスピンで真価を発揮する。

2種目目タンゴ

千夏のカセが外れた。
タンゴでは目を見開いて
恐ろしい形相になっている。
えげつないネックアクション。

たたらも目つきが鋭い。
音楽への完全な没入。
体の動きが大きく、速い。
会場のなかでひときわの存在感を放ちはじめる。

たたらたちのタンゴは
ワルツのようなムーブメントを多用する。
とにかくダイナミック。
釘宮たちは重々しい正統派のタンゴ。
まったく真逆の踊りだ。

釘宮の抱える限界

釘宮は戦っている。
社交ダンスの地獄に帰ってきたのだ。
他人の評価に耐えながら
己をつらぬきとおし
圧倒的な優位を認めさせる。

釘宮は勝たなければならない。
エダチューさんのもとで培ったスタイルを
極限まで突き詰めて理想のダンスを見せる。
社交ダンスの伝統を凝縮した端正な踊りだ。

だが体がついて行かない。
ケガの影響が残っている。
何しろ腰椎を粉砕骨折したのだ。
以前と同じようには動けない。

清春には釘宮の苦しみが分かる。

まったくたまったもんじゃないよなあ
こんな目を向けられて同情するよ
ほらな、力がうまく入らないだろ

みずからのファンに見守られながら
思うにまかせない体を動かす。
ライバルが柔軟性を生かした
自由な踊りを見せるのを尻目に、
自分が培った理想のイメージを
形にしようと苦闘する。

釘宮は圧倒的にリーダーシップをとるダンサー。
すべて責任を自分で引き受けるタイプだ。
井戸川の動きも完全にコントロールする。
釘宮家の男子は1番でなければならない。

先生からの期待。
ファンからの期待。
自分自身への自負。
あらゆる重荷をかかえて釘宮は戦う。

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