マガジンサード ラテン 社交ダンス

【10ダンス ネタバレ】1巻4話

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防衛のほうがむずかしい

スタンダード杉木がチャンピオンを防衛した。
編集長と新人が感想を語り合う。
「まあ杉木信也凄かったですね」
6度目の防衛だと感動がうすい。
観るほうにどうしても飽きがでる。
いたし方のないことだが・・・。

編集部で中堅の向井はスタンダード杉木との出会いを思い出す。
初対面の杉木はとんでもなく嬉しそうな顔をする。
有望な新人を発見したからだ。
アマチュア・ラテン部門でラテン鈴木を見つけたのだ。

会場が盛り上がっている。
アマチュア部門なのに歓声と拍手が起こる。
観客がおもわず腰をあげて見入ってしまう。
新人編集者の向井もつられて中腰。
となりにいたのが帝王のスタンダード杉木だ。

ダンス用の衣装をつけたまま
スタンダード杉木はラテン新人に魅せられている。
いいものを見た喜びが表情にあふれる。
「・・・凄い・・・」
「人の身体はどこまで動くようになるんでしょうね」

スタンダード杉木は編集部に
ラテン新人の録画をお願いする。
デビュー戦のころからすでに見守っていたのだ。
社交ダンス自体を変えてしまう可能性が
ラテンの天才、鈴木から感じられた。

杉木はすでに頂点にいた。
圧倒的な実力、王者の風格。
スタンダード杉木のダンスに
編集部の向井は完全に魅了された。

下男のホールド

スタンダード杉木はラテン鈴木にレッスンしている。
6年越しの悲願だ。
ラテン鈴木が男役、杉木は女役で練習。
この男にスタンダードを踊らせたい。
だがラテン鈴木のリードは不快きわまりない。

まるで下男のワルツだ。
虚栄心だらけのポーズ。
乱暴で下品、ミスリードばかり。
女性はこんな男の言いなりになんか絶対ならない。

スタンダード杉木は指摘する。
まずパートナーを気持ちよくさせろ。
女王様気分にさせればリードに従う。
相手が雌猿でも、自分ならプリンセスにできる。

帝王のお姫様ホールド

スタンダード杉木は強烈な自信をもっている。
リードがどういうものなのか
ラテン鈴木に教えてやらなければならない。
女役として帝王ホールドを体験させるのだ。

杉木のホールドは特殊なのだ。
女性に無理を強いる。
体を極限まで伸ばし、曲げさせることで
女性の体の美しいラインを引き出す。
いまだに誰もまねできない特別な技。

ラテン鈴木はぎりぎりまで手を伸ばされる。
「僕なしじゃ立っているのも辛いでしょう」
苦しいときに手を差し伸べて助けてくれるかのように
スタンダード杉木がホールドする。
「・・・限界・・・」
「マジ限界」
「ムリっす・・・」
この状態から踊り始めるのだ。

しかしダンスが始まると感覚が一変する。
お姫様気分を味わう。
優しくリードされている。
すごいスピードを出しているのに安心感がある。
気持ちがいい。
思わず声が出てしまう。

6年越しの野望

編集部の向井はスタンダード杉木に会いに来た。
ふたたびDVDを渡しにきたのだ。
ラテン鈴木のデビュー戦録画。
スタンダード杉木は何度も見直している。

鈴木のデビュー戦はすごかった。
弾けるようなキレと独特のリズム感。
社交ダンスの枠に収まりきらないような
可能性を感じさせる。

この男にスタンダードを踊らせる。
ラテン鈴木のエッセンスを取り入れて
みずからのダンスをさらに進化させてやる。
競技ダンスというものを根本から変える。

向井からDVDを受け取り、礼を言う。
杉木はちゃくちゃくと準備を重ねているのだ。

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