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【10ダンス ネタバレ】2巻10話

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杉木ペアと鈴木ペアの再会

雪の降る銀座を鈴木とアキがかけ抜ける。
階段をのぼってスタジオ入り。
競技会後はじめての相互レッスンだ。
杉木・房子ペアはもちろん優勝した。

にぎやかに再会を喜ぶアキと房ちゃんをうしろに
杉木と鈴木のあいさつは短い。
「・・・よう・・・」
「ただいま」
男同士それでもうれしい。
優勝して再会できたのだ。

杉木の厳しすぎるレッスン

今回から杉木がアキをレッスンすることになる。
予想されたことだが杉木の教え方はキツい。
「・・・違います」
「駄目ですね。やり直し」
「やり直し」
「やり直しです」

冷静な口調で否定しつづける。
これでも杉木は自分をおさえているらしい。
いつもだったら怒鳴っているところを
気を使っておだやかにつたえているつもりだ。
逆に怖い。

杉木がパートナーを替え続けたのはこのキツさが原因だ。
指導があまりに厳しすぎて相手が逃げてしまう。
「マンネリ防止」「イメチェン」のために
女をとっかえひっかえしているわけではなかった。
逃げられたのだ。

アキも精神的に追い詰められていく。
「もう踊らなくていい」
あまりの言われように足がふるえる。
杉木はアキをずたずたにしたいわけではない。
「今日はあちらで少しレクチャーをしましょう」
怒りをおし殺してレッスンしているだけだ。

杉木は鈴木をみて現役続行を決意した

じつは杉木は引退するつもりでいた。
リアナと別れてからは良いパートナーに出会えなかったから。
つぎつぎとパートナー候補を鍛え、房ちゃんしか残らなかった。
行き詰まりだ。

しかし鈴木のダンスをみてモチベーションが復活したらしい。
純粋にダンスをみるだけで力づけられることがある。
「人の身体は、精神は」
「どこまで動いて挑戦することができるんでしょうか」
鈴木の踊りに可能性を発見したのだ。
10ダンスへの挑戦を思いついた。

再会はダンスで

鈴木と房ちゃんが話しこむのを見て
杉木が怒りの表情を見せる。
アキが気を使ってフォローを入れる。
別に房ちゃんを口説いているわけじゃない。
鈴木にとっては日常会話にすぎない。

杉木は房ちゃんを呼びかえし、
鈴木に向けて手をのばす。
(踊れ)
男同士ひさしぶりのカップル練だ。

すいつくようにふたりは組み合う。
「押せばしなやかに引いて」
「引けばおしみなく追ってくるこの感じ」
杉木と鈴木、ふたりの組み合わせはサマになっている。
房ちゃんとアキから見ても完成度が高い。

ダンス狂どうしの深夜

女子ふたりが帰り、男たちが残される。
杉木は鈴木とレッスンしたい。
しかし鈴木のほうは食事に誘ってくる。
仲良くしたいのだ。
そういう性格である。

杉木は食事をことわった。
なによりも踊りたい。
鈴木と踊りたい。
(準備万端なんですよ!)
(あなたのパートナーになるように整ってる)
鈴木となら大きな可能性が見える。
夜の街を抜けて広場にでると
杉木はシャドー練をはじめてしまう。

食事の誘いを断られた鈴木はショックを受ける。
感情豊かな性格だ。
「あれ!?もしかして避けられてる?」
「俺のことが嫌い?」
「俺のダンスは興味なし?」
いちいち考えてうろたえる無防備さがかわいい。

鈴木はおもわず杉木のあとをつけてしまった。
あいつは自分をどう感じているのか?
もやもやした気持ちがおさまらない。
この感情は恋か?
だが広場で練習を開始した杉木を見ていっぺんに了解した。

杉木はダンスが好きなのだ。
踊らずにいられない。
「アンタ踊ってないと死んじゃう病気なんだろ?」
鈴木は広場を見下ろして声をかけた。

ふたりとも同類だ。
どうしようもなくダンスに取りつかれている。
「・・・何踊る?どうしたい?」
「僕なら、あなたの好きにして構いません」
「マジで?」
鈴木の声がうれしくてはずんでいる。
誰もいない冬の夜にふたりは踊りはじめる。

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