マガジンサード ラテン 社交ダンス

【#10ダンス #ネタバレ】#3巻#14話

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アジアオープンを偵察

鈴木はアキと日本武道館へ来た。
アジアオープン決勝を見に来たのだ。
ラテン世界チャンピオン1位のベーメルと
2位のウィルキンスがフロアで踊る。

鈴木は視線をすえて2組を見ている。
「今年のオープン戦であの2組を抜かすぞ」
アキに目標設定した。
「その後は」「全日本でラテン王継続と」
「10ダンスで杉木を抜いて勝つ」

鈴木は国内レベルですでにラテン王者だ。
それが年内に世界レベルまで上げるという。
1年で大幅なレベルアップ。
「無理じゃね・・・」
パートナーのアキがたじろぐが、鈴木には自信がある。

杉木にあって鈴木に足りないもの

鈴木は現実的でもある。
アキとはダンスについて何度も話し合いを重ねている。
杉木を実際に倒す方策を探していいる。
「杉木と俺のリードの違いって何?」

アキの答えははっきりしている。
杉木のリードは明確だ。
いつでも身体をどこに収めればいいか示す。
そして「強引さと思いやりが絶妙」
細部までコントロールが行き届いているのだ。

試合前の言葉がけも配慮にあふれている。
杉木は房ちゃんにこう言った。
「僕と組んだからにはこの会場で
誰よりも美しく踊らせてあげます」

すごいセリフだ。
「世界中のダンサーに『矢神房子は美しい』
『矢神房子になりたい』と言わせるのが、僕の仕事で喜びです」
はじめての試合前でこんなことを言われたらたまらない。
不安と緊張感から男性にすがりついてしまいそうだ。
「あなたは今後、試合の日は僕に好きなだけ我儘を言うといい」

「言われてみてー」アキと鈴木はもだえる。
鈴木の口からは出てこないセリフである。
パートナーを気づかい、強固に守る計算された声がけだ。
杉木はダンスだけでなく、言葉でも女性を完全にコントロールする。

黒いドレスの謎

もう1点、鈴木には気になることがある。
杉木が黒いドレスのパートナーと踊る動画。
見たことのない特異なオーラを振りまいていた。
「黒は試合で着たことがないです」と房ちゃんは言った。

杉木はいったい誰と踊っていたのか?
動画を見たアキには「人間離れした房ちゃん」に見えたらしいが。
房ちゃんの弟か?
なにか訳ありだろうが、謎のままだ。

アジアオープンのあと密会

試合終了のあと鈴木は電話をかけた。
杉木はいつもの公園で待っている。
鈴木は走って会いに行く。
いっしょうけんめいだ。
あたたかい缶コーヒーを杉木に渡し
「防衛おめでとう」と祝う。

杉木はうれしい。
「鈴木先生はかわいい・・・
とてもかわいい時がある」
内心おもいながらコーヒーを飲む。
飾らないひたむきさにきゅんと来ている。

アーニーが言う通り、杉木は鈴木に恋をしている。
半年後にはふたりは10ダンスで戦うことになる。
つきあうことは決してない。
杉木のほうからバーに誘った。
話がしたい。

バーで物思いに沈む杉木に、
鈴木はかねて気にかかっていたことをたずねる。
黒いドレスの女だ。
あれは誰?
こわいワルツの曲で踊っていたときの相手。
曲は「仮面舞踏会」
ハチャトリアン作曲のやつか。
ゴージャスだけど不吉。
暗くて重い曲だ。

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