コンテンポラリー スピリッツ ネタバレ バレエ

#ダンス・ダンス・ダンスール#ネタバレ#18巻#154話

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潤平のYAGP本選決勝

中村先生からの最終調整を受けてから潤平は舞台へむかう。
YAGP本選、最終決勝だ。
ついさっきまでとは変わって、潤平は落ち着いている。
「俺のコアは中村先生でできている」

徹底した基礎訓練を中村先生から受けてきた。
中2でバレエの道に入ったのが、
潤平には遠い昔のようだ。
中村先生と過ごした時間は長く濃い。
ニューヨークにきてから、さらに「基礎の徹底」指し示された。

オルガ先生からの指摘のおかげでもある。
オルガ先生と潤平、中村先生の3人が影響しあって
もう一つ上のレベルの状態を見ることができている。
もっと身体を使うことができる。

生川でたたきこまれた基礎を見直している。
さらに精密に・・・
混乱してどう動いてよいかわからなくなっても
日々の訓練で身についた基礎に立ち返れば
そこから解決策を探すことができる。

ブランコからのシンクロ

ブランコは会場にはいない。
バイトしている古着屋で踊っている。
場所など関係なくイメージが広がる。

音楽さえあれば、もうそこはドンキの世界。
店の狭い通路でブランコは踊り始める。

「ゆったり・・・そう、もっと遠くへ出すんだ」
「いいぞ。最高にエレガントに」
「おお・・・客の期待の目に、皮膚が泡立つ」

会場で踊る潤平と、ブルックリンで踊るブランコがシンクロする。
ドンキの音楽がふたりをつなげる。

父さえも潤平のバジルに参加

潤平はイメージを広げている。
バジルは床屋。
なくなった父の店を継ぐ。
結婚して地味な暮らしを始める。
それでも今日だけはめいっぱいカッコつける。

潤平はバレエをやる環境にいたわけではない。
理想とは遠い。
そのギャップじたいが「バジル」の掘り下げに役立つ。
バジルだって理想の人生を送るわけではない。
闘牛士ではなくて床屋だ。

潤平が父から引き継いだ環境を最大限にいかすのだ。
膨大な映画とアクション。
父を失ったこと。
「普通」の生活を送るために頭をフル回転させて
まわりの空気を読みまくった。

3人の男からバジルが生まれる。

たくさん映画から得たスペインのイメージが潤平の中にある。
「かつて血を吸った大地の歴史を
理解し表現することはできないだろう」

3人の男たちはそれぞれ喪失を経験している。
潤平父も、中村先生も、ブランコも・・・。
年齢をかさねるにつれ、男は何か貴重なものを失っていく。
潤平のなかに男たちの感情が宿って何かを予感させる。
潤平もまた新しい世界へ向かおうとしているのだ。
生川をはなれ日本をはなれて暮らそうとしている。

こまかな個人的事情が舞台の味付けになっている。
「俺は・・・見た・・・」
「誓いの日のっ・・・俺の・・・バジルの空を・・・」

観客が潤平に反応している。
拍手が収まらない。

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ダンス・ダンス・ダンスール18巻の発売日

10月12日発売予定です。

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