伊折の教え上手
伊折の意外な側面に女子がおどろく。
「なんか普通にタメになったんだけど」
めっちゃわかりやすい。
内容もちゃんとしている。
さらに伊折は、さらっとほめる。
「丸井さんだっけ？普通にうまいよ」
教え上手だ。
カボくんも横で聴いていて納得。
伊折先輩の感覚をスッキリと言葉で説明された。
伊折じしんもおどろいている。
「何であんなスラスラ説明できたんだろ」
「しかも自分で言っといて
なんかすげー改めて自分の言葉に納得するみたいな・・・」
他人に教えることで、
無意識の感覚を筋道だてて整理する効果があるのかもしれない。
一凛高校ははじめてダンスバトルに参加する。
伊折はソロだけ出るつもりだったが、
恩ちゃんにおされて、チーム戦にも入ることになった。
メンバーは、恩ちゃんと伊折
ワンダさんとカボくんの４人だ。
一凛高校のドリームチームである。
「・・・まぁ良いんじゃん、このメンツ」
「私もそー思う！」
ワンダさんは昼間、個人練。
ブレイキンではカボくんに遅れを感じている。
置いていかれないように一生懸命だ。
壁ちゃんはカボくんが気になる。
一緒に練習したいのだ。
まえに「こんな恵まれた人と踊りたい」と言っていた。
「恵まれた」というのは体格のことだろうか？
壁ちゃんは小柄だが、カボくんはデカい。
同じフリをしても、体が大きいだけで迫力がある。
体格にくわえてカボくんにはセンスもある。
壁ちゃんからカボくんへ練習の誘いをかけるが
ていねいに断られている。
一凛高校のダンス部でバトルに向けて練習していて
いそがしいとの理由だ。
壁ちゃんの鐘光高校もバトルに出る。
カボくんと出会うのはバトル会場になりそうだ。
鐘光高校 対 一凛高校。
一凛高校のほうが設備が整っている。
頭もいいらしいし、部長（恩ちゃん）も優秀らしい。
「まあ 目にもの見せてやりましょーよ」
壁ちゃんは闘志を抱えているのだろうが、
表むきは冷静だ。
カボくんはじめてのクラブ
バトル会場はクラブだ。
カボくんたちは受付を済ませて中に入る。
クラブは音がぜんぜんちがう。
体の芯まで重低音がドンって響く
服が震えてる
密閉空間で大きなスピーカーで鳴らすと
音がちょくせつ皮膚に響いてくる感じだ。
バトルが始まるまでDJタイム。
カボくんはフロアで踊り始める。
真っ暗な空間でデカイ音だけが頼りだ。
カボくんはダンスに没頭できる環境が心地よい。
「好きかも」
視界の橋にワンダさんを確認すると安心。
カボくんの踊りはずば抜けている。
フロアの注目を集めはじめた。