#ダンス・ダンス・ダンスール#ネタバレ#１８巻#１６０話

更新日：2020年9月29日

潤平脱走に対処する綾子先生

YAGP参加者を羽田空港で迎える綾子先生。
前回の怒りの形相からうってかわって
おだやかに一行をねぎらう。
潤平ぬきで夏姫と寿、そして大原田さん。

もちろん潤平の脱走を許したわけではない。
「ドキュメンタリーのほうは
潤平くんの部分は全カットでお願いしますね」
鬼の指示をだした。
反論を許さない。

綾子先生の口紅がくろぐろとして
ひきしめた口元がおそろしい。
あわてる寿と夏姫をへいぜんと受け流す。
「・・・残念ですが、人の心は変えられませんから」

まったくそのとおり。
綾子先生の言うことはもっともだ。
生川は過激な反応はしない。
たんたんと援助をうちきるのみ。
潤平は自主的に退団した。
いままで潤平に与えられていた待遇はなくなる。
事務的に手続きがすすめられる。

とうぜんの対応。
誰も文句をつけられない。

大原田さんのとった映像はYAGPのドキュメンタリーになって放送された。
もちろん、潤平の部分はカットされる。
潤平はいなかったことに・・・
潤平が写り込んでいるスペースにはテロップがのる。
しかたない。

しかし大原田さんは潤平を使いたいのだ。
潤平は面白い素材だった。
良い映像が取れているから、どうにかして放送したい。
バレエファンじゃない人もひきつける魅力が潤平にはある。
潤平に対する問い合わせもくる。

YAGPが終わると他の仕事が次々と入ってくる。
大原田さんは会社員として業務をこなしながら
潤平のことが忘れられない。
大原田さんから電話しても
ニューヨークの潤平に連絡すらつかないのだ。
思いあまって中村先生へ連絡する。

中村先生からも潤平に連絡がつかない。
中村先生はあいかわらず生川でバレエを教えている。
平常運転である。
潤平がいなかったかのように生川バレエ学校は営業をつづける。

潤平が行くはずだったワガノワ留学は
海咲と響が行くことになった。
夏姫は予定通りロイヤルに留学する。
生徒たちは下から次々とはいってくる。
才能ある子を見つけては育てていかなければならない。

テレビの影響はごく短期間。
潤平に対するツイートもすぐおさまった。
わりきれない思いをかかえる大原田さんへ
兵ちゃんからメッセージが入る。
同じニューヨークにいて潤平関連のツイートをウォッチしている。
あいかわらずの粘着質である。
キモロン毛健在だ。

ほうける大原田さんに潤平から電話が入った。
LIMEのビデオ通話だ。
ブルックリン橋で自主レッスンしている。
のんきだ。
やばいくらいのんきだ。
ブルックリン橋は、めっちゃ雰囲気のあるロケーションでかっこいい。

ソニー・ロリンズがサックスの練習をした伝説の場所だ。
ニューヨークの聖地、いやアメリカの聖地である。
テンションが上がるわ。
だがのんきすぎる。
<br />
大原田さんは必死で潤平に話しかける。
潤平のドキュメンタリーを撮りたい。
まず潤平の現状を知りたい。
いまブランコに師事できているのか？

じっさい潤平は何もしていない。
ブランコと会っているだけで、レッスンはしてもらっていない。
オルガ先生の学校でのレッスンをうけているくらい。
やがてビザが切れるが、延長もとっていない。
帰りの飛行機代はつかってしまった。

やばいぞ潤平。
だがひたすら楽しそうだ。
若くて健康で、才能もある。
あこがれのブランコにも会っている。
「うかれてる」
ブルックリン橋でおどって幸せだ。

１０月１２日発売予定です。