伊折先輩の勝利をあじわう
伊折先輩が宇千くんに勝った。
宇千くんは最強の優勝候補者である。
本人も勝てるとは思っていなかった。
音楽を聴くことに、とことん徹して
伊折先輩は自分の限界を超えた。
勝利を喜ぶギャラリーに伊折先輩が言う。
「俺を褒めるなら俺のいない場所で頼むよ・・・」
カッコつけているわけではない。
自分でもめっちゃうれしいけど、
感情に流されることを警戒している。
次のバトルで純粋に音を聴けなくなったら嫌だ。
カボくんの学び
カボくんは伊折先輩と目があう。
カボくんは言葉をだせない。
吃音だからではなくて
もう純粋に今の感情が大きくてコクコクするだけだ。
伊折先輩にはカボくんの感情がつうじている。
「いやー・・・超楽しかったわ」
お前もこっちに来いよ、という意味だろうか。
カボくんには次のバトルがあるのだ。
相手は壁ちゃん。
カボくんは覚悟がきまった。
伊折先輩の試合を見ての結論だ。
「俺は誰かの代わりじゃない」
「俺は俺だ」
自分の感覚に集中する。
音楽スタート
Mr.CarmakのMove Like Lions Do(youtube)
「ライオンみたいに動け」か?
好戦的な壁ちゃん
バトル開始。
カボくんと壁ちゃんが向かい合う。
間の取り合い。
壁ちゃんが先に進み出る。
手をさしのべて握手するかと思いきや
カボくんの手をかわして挑発。
そのまま自分のマスクを目の高さまでずらす。
いつもの黒マスクが目隠しになった。
なぜに?
マスクは目に当てないほうがいいぞ。
鼻と口がむき出しだし、クラブは密閉空間だ。
三密どころではない。
そのうえ壁ちゃんは服がちぎれまくっている。
ツッコミを誘っているのでなく真剣だ。
謎だらけ。
壁ちゃんは激しくおどり始めた。
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