練習終了の告知
パートナーの女性たちへ、練習終了を告知した。
杉木・鈴木ペアの合同練習は6月いっぱいまで。
7月からは別の先生を紹介する。
アキも房ちゃんも女性たちは不満顔である。
長時間ずっと一緒に練習していたのに
そんな計画ぜんぜん知らせてくれなかった
前もってひとこと言ってくれれば心の準備もできたのに。
非難のまなざしに鈴木はあたふたと対応する。
おもわず言葉を探してどうにかなだめようとする。
鈴木の性格の良さがにじみ出る。
杉木先生から決別宣言
杉木先生は正反対だ。
まずだまったまま女性たちの言葉と
鈴木の対応ぶりをやり過ごす。
それからきっぱりと宣言。
今日まで僕たち4人はダンスを教え合う良き友人でした。
ですが明日からライバルとして戦う相手です。
これからはお互い会わないようにしましょう。
以上。
反論のしようもない。
杉木先生の表情がいっさいの反論をこばんでいる。
オーウェンとはどんな人?
房ちゃんとアキは女性どうしで最後のダンスを踊る。
踊りながら房ちゃんがアキを慰める。
今度の先生はめっちゃ良い人だから、と。
杉木先生が紹介するオーウェンはもと世界チャンピオン。
スタンダードの権化のような人だ。
イギリス上流階級のオーラが染み付いている。
杉木先生にも通じる知性あふれるダンサーらしい。
男たちも最後のダンスを踊る
最後のスタジオ練習が終わった。
杉木と鈴木もやはり別れがたい。
夜の銀座をダンスしながら進む。
男二人でそうやって帰るのだ。
踊りながら今までのシーンが走馬灯のようによみがえる。
記憶をさかのぼりながら2人は横断歩道を渡る。
今までの言葉がよみがえり、
ふたりが最初にであった場面へ帰っていく。
杉木先生が鈴木に提案したあの言葉だ。
あのときはこんな恋が始まるなんて予想もしていなかった。
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