マガジンサード ラテン 社交ダンス

【#10DANCE #テンダンス #ネタバレ】#4巻#19話

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ラテン鈴木が世界レベルを体感して興奮

ラテンの世界王者、アルとレッスンをして鈴木はたおれてしまった。
いっしょにならんでルンバウォークをしただけなのに。
ゆっくりと基本動作を繰り返すだけでアルは吸引力を発揮した。
トルネードのようにすべてを吸い込む。

帝王・杉木とは別種の能力をアルは持っている。
杉木が持っているのは、上を目指すために本気で戦う喜びと強さ、不屈の精神。
アルのは集中力。
体全体を踊りに集中させ、強烈な影響力をふりまく

アルも杉木も世界のトップ。
すごいやつは違う。
ラテン鈴木は世界に触れて興奮する。
「おおおおおおおおー!!」
フロアで目覚めると目の前にチャンピオンがいる。
「アルベルト・ベーメル!!」
アルが自分を見ている。
世界レベルの偉大なダンサーだ。
こいつと戦える。
自分には力がある。
カセを外して戦うことができる。
鈴木は顔を上気させ歓喜する。

杉木先生は複雑な心境だ。
世界チャンピオンのアルも鈴木を認めた。
自分以外の人間も鈴木を発見しつつあるのだ。
鈴木の背中に羽が生えているのが見えている。
この「ダンスの神」を発見したのは自分だ。
美しい身体と独特のリズム感。
スタンダードの基本を叩き込み、イギリスに連れて行った。
おかげで鈴木は新しい感覚をつかもうとしている。

教育が効果をあげているのはうれしい。
だが同時にさびしい。
自分をはるかに超えて鈴木は成長する。
自分以外の人たちとも勝手につながっていく。
チャンピオンと盛り上がる鈴木をみて、悲しい表情を浮かべる。
(ドロレスだけが杉木の感情に気づいている)

鈴木のダンスと生い立ちの関連性

鈴木には独特なリズム感覚がある。
そのリズム感にアルは興味を持っている。
「どこでそんな妙なリズム身につけたんだよ」
鈴木にはわからない。
素で踊っているだけで、自分が特殊性を意識していない。
アルに問われるまま自分のダンス経歴を語り始める。
「俺 キューバ生まれなんだよ」

鈴木はキューバで育った。
父親が次々にかわる。
母が結婚と離婚を繰り返したのだ。
ただし相手は全員ダンサーだった。
みな鈴木に踊りを教えてくれた。
いっしょに踊ってくれた。
キューバの伝統的なダンスからフラメンコ、ジャズまで何でもありだ。

野良そだちである。
特殊な「エリート教育」を鈴木は受け続けた。
ふつう、ダンサーになる子どもは、小さいころからレッスンを受ける。
金持ちの家でなければ不可能なことだ。
そのうえで素質があれば芸術大学にすすむ。
徹底的に基礎を叩き込まれたあとから仕上げの教育を受ける。
鈴木は完ちがう。
たくさんの父親たちから完成品を直接とりこみつづけた異形である。

正統派のアルは正しく踊る

アルたちのレッスンをみて鈴木は感心する。
アルはスタンダードもうまい。
基礎教育が体に染みついているのだ。
「コイツら皆 子供の時から習ってんだもんな」
基礎さえあれば、どんな踊りでも習得しやすい。
鈴木とは縁のない世界。
正統なダンス教育でトレーニングされた体である。

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