#ダンス・ダンス・ダンスール#ネタバレ#２２巻#１８７話

更新日：2021年9月13日

マシューのコッペリウスに期待

潤平の目の前でマシューがコッペリウスに変身した。
スタイルのいい紳士が腰の悪い老人になった。
杖をふりまわして自分の家に忍び込んだ不良娘どもを追い出す。
スタジオは大騒ぎだ。
盛り上がっている。

つぎはフランツ（潤平）の出番。
窓から部屋へしのびこんでマイムでからむ。
ブランコからのアドバイスは「彼に胸を借りてこい」
共演するだけで舞台の世界に引っ張り込んでもらえる。

フランツ（潤平）はコッペリウスの部屋に忍び込む。
潤平はまじめ。
手順通りに動作をこなそうとする。

１）窓から入って
２）部屋を探索

コッペリアに気づいていない体でうろつかねばならぬ。
が、コッペリウス（マシュー）はなぜか目の前に現れる。
「何故隠れていない・・・！？」
ぎょっとする潤平。
手順もクソもない。
マシューは人形のふりをしているらしい。

監督からアドバイスが飛ぶ。
「ジュンペイ！人間かどうか確かめて？」
うろたえながらマシューの体をなで
潤平は所定の位置へ戻ろうとする。

すかさずマシューが杖を振り下ろす。
そこからフェンシングの突きをいれてくる。
パニクりながら潤平はマシューの攻撃をかわす。
マイムのシーンがウケている。
うろたえる潤平は、フランツの役柄そのままだ。

杖の攻撃をたたみかけたあげく
マシューは潤平の耳をつかむ。
音楽とぴったりのタイミング。
マシューはストーリーと音楽のつじつまをきっちり合わせてきた。
潤平は何もできずほんろうされる。
そういうストーリーでもある。

部屋へ忍び込んだ事情を説明するフランツ(潤平)。
このあとの手順を潤平は頭の中で再確認する。
酒を２杯のんで気絶すれば終わり。
もうすこしだ。

２杯目をそそぐマシュー。
のはずだがマシューは潤平の太ももに飛び乗る。
うろたえる潤平の口元へワインをそそぐマイム。
またもやギャラリーは大ウケだ。

いたぶられてパニックを起こす潤平。
自分を見下ろすマシューの表情にぞっとする。
「マッド・サイエンティストな目だっ・・・！！！」
「本気だコイツ」
潤平の魂をひきぬいて自分が作った人形に移植しようとしている。

薬が効いた潤平は椅子に載せられる。
「いいふらつきだった」
マシューにほめられた。

マシューは説明する。
「僕らで作り上げていいんだよ」
フランツだってあんな目にあわされるなんて思ってもいないよ。
潤平の反応がフランツ役の演技になっていた。
「マイムの生のやりとり、その醍醐味」
「君とならもっと楽しめそうだよ」

潤平生来のすなおでストレートな反応や
反射神経の良さがマイムに活かせる可能性がある。
ブランコの言っていた
「フランツとして生きる、それだけだ」
というのはこういうことか。

潤平の出番は終わった。
あとは意識をうしなって横になっていればいい。

目の前でシーンはつづいている。
マシューが全身全霊で、人形に魂を移している。
鼻息が荒い。
潤平は思わず薄目でマシューを見てしまう。

マシューは尋常でない。
「必死だっ・・・！！！」
「魂移し必死だっ・・・！！！」
マッド・サイエンティストそのままである。

孤独な老人が丹精込めてつくった理想の少女。
コッペリアがいま目の前で動き出そうとしている。
夢がかなう・・・
マシューは潤平にコッペリウス博士の表情を見せた。

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