ローザンヌで対決宣言
久しぶりに会ったるおうは、相変わらずぶっ飛んでいる。
「ローザンヌに出るのか?」
いきなり潤平へ問いかけてきた。
るおうは潤平と勝負したい。
潤平がコンクールに出るのなら、同じときに出場して潤平を破りたい。
性急に勝負だけを考えている。
るおうはバレエへどう取り組んだらいいのか気持ちが混乱している。
幼い頃から強制的に訓練を受けてしまった結果、
自分の意志を見つけるのが難しくなってしまった。
加えて「おばあさま」と母、真鶴の確執に巻き込まれて
精神の土台に不安定さを抱え込んでいる。
潤平へのライバル心が、るおうを支えているといっていい。
潤平を打ちのめすためならバレエを頑張れそうな気がする。
潤平はローザンヌコンクールなんて受ける気はなかった。
だけどるおうに引き込まれるように出場宣言してしまった。
潤平にとっても、るおうとの勝負は最重要だ。
「バレエ=るおう」ぐらいに思っている。
ローザンヌコンクールとは何?
ローザンヌ国際コンクールに出ることは、潤平にとって現実的ではない。
すでに18歳の潤平にとって、このコンクールは就職活動である。
イギリスのロイヤルやドイツのハンブルクローザンヌ、シュツットガルトへ入団したいなら
ローザンヌ国際コンクールへ出たらいい。
しかし潤平はロシアで踊りたいのだ。
マリインスキーかボリショイに入団したい。
正統的なクラッシックの頂点でトップを取る。
それこそ「ダンスール・ノーブル」になるのだ。
オルガ先生は冷静にアドバイスする。
ロシアの一流バレエ団に入りたいならコンクールに出る余裕はない。
コンクールの練習で、バレエ団への就活ができなくなる。
ローザンヌ好き
そもそもるおうはローザンヌに出る必要がない。
今のまま順当に行けばロシアで踊れる。
だがローザンヌという言葉だけで潤平はワクワクしている。
子供の頃から、潤平はローザンヌコンクールをテレビで見ていた。
日本ではローザンヌ国際コンクールだけが唯一テレビ放映される。
日本人バレエダンサーは、ローザンヌコンクール経由で世界へデビューする。
特別なコンクールなのだ。
ブランコからベアトリスへ究極のダメだし
翌日、潤平はいつものようにレッスン。
間近に迫った『コッペリア』にむけてベアトリスとのパドドゥの練習。
オルガ先生のとなりでブランコが真っ黒になっている。
言いたいことがある。
ブランコは我慢できない。
鬼の形相でベアトリスにダメだしを始めた。
足りないっ・・・
足りないっ・・・!!!
love
ベアトリスの踊りは、ブランコにとって問題外だ。
ブランコは全否定しはじめた。
うまい女子が卒業してしまったから、たまたま潤平の相手ができているだけだ。
あまりの言い方にベアトリスの顔に斜線が入る。
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