大林組の舞台
宝生たち4名だけが観客席に座り
大林組の公演がはじまった。
観客席はパイプ椅子。
「大林組 白鳥の湖 第2幕より」
舞台脇にめくりを置いて演目を表示している。
まるで落語のような和風のいでたちだ。
舞台のこしらえを無視して
まつりといおりが登場する。
オディールとジークフリートの語らい。
・・・悪魔の呪いを解く方法はただ一つ・・・
こんなふうに身振りの意味がすべて文字で解説される。
親切。
バレエは話の筋があらかじめわかっていないと
何をやってるのかちんぷんかんぷんになる。
呪いを解く条件とか、
そのために今後どうするつもりかとか。
重要なことなので、
はっきり文字にしてくれるのはありがたい。
しかしバレエだのオペラだののあらすじは
冷静によむとどうしようもなく馬鹿らしい。
こんなことを真剣に演じているのが
アホに見えてくる。
群舞でコピペを連発
王子が愛の救いを宣言し
物語が大きな盛り上がりを見せる。
・・・ああなんて嬉しいの!
・・・真実の愛がこの悲しみを
・・・打ち砕いてくれることでしょう
群舞が入ってくる。
衝撃のシーンが左右ページいっぱいに広がる。
コールドのメンバーがもろコピペなのだ。
本当にコピーして貼り付けるだけ。
手足の大きさと形が完全にそろっている。
ひどい。
バレエのギャグマンガでとはいえ
こんな方法があったとは・・・
はじめは顔だけは描きわけているが
ページをめくるともう
顔すらコピペですませてしまっている。
バレエの群舞は完全にそろっていなければならない。
センチ単位、ミリ単位で
まったく同じタイミングで動け。
厳しい訓練の結果、大林組のコールドは
本物のコピペのように
シンクロできるようになったのだ。
「Hugっとプリキュア」のエンディング
ここで思い出されるのが
2018年「Hugっとプリキュア」だ。
後期のエンディングでは5人のプリキュアが
タンバリンを叩いて踊る。
CGだからメンバー5人の動きはたやすくシンクロする。
逆に、コピペに見えないように工夫がこらされる。
キャラごとに衣装・体格・表情を特徴づけするが
それでも足りない。
いちばん印象的だったのがまばたきのタイミングだ。
まばたきをバラバラにさせることでコピペ感を薄める。
とくに曲の盛り上がりで、えみるが長時間目をとじる。
タンバリンをたたきながら
喜びで感極まったように見える。
えみるの感情が生々しく入ってくる。
「プリキュア」的なテクニックをあざ笑うかのように
「バレヱのお時間」は、コピペをギャグにしてしまった。
生身の人間がシンクロするのは並大抵のことではないが
電子的に作画すれば、たんなるコピペで済む。
バレエの真剣さもクソもない。