潤平は元気にニューヨーク入り
いよいよYAGP本戦。
ニューヨーク入り。
潤平は元気だ。
入管では、いつもどおりの潤平のボケに夏姫が的確なツッコミを入れる。
バンダ中村先生はちょっとホッとした。
出発前の潤平のレッスンを見てしまったからだ。
岩井先生は潤平に高いレベルの表現を要求した。
「魂を削り、芸術を体現する」踊り。
プロでもごく一部のダンサーだけができることだ。
自分の内面をつかみだされ
「自尊心を踏みにじられた表情」をしていた。
撮影の大原田さん
今回もテレビ局からの撮影が来ている。
影の薄いメガネ女性、大原田さんだ。
ハンディカメラで常に潤平たちをとっている。
なぜか寿も来ている。
予選参加者はレッスンが受けられるから
わざわざ参加したのだ。
金持ちだから・・・
福耳が前よりも大きくなっている。
息をつくまもなく直前レッスン
翌日は地元スタジオでレッスンだ。
潤平はコンテのフリをなぞってみるが途中でやめてしまう。
気がのらない風情だ。
眉間にシワを寄せて中村先生が潤平を呼ぶ。
生川だけでスタジオを使える時間が１５分ある。
この時間で中村先生が潤平たちをレッスンする。
「方向性を切り替えろ潤平」
中村先生は焦っている。
生川のお披露目会で見た踊りが
本選でやるべき方向だと中村先生は信じている。
「踊るのが楽しくて楽しくてたまらない前向きなパワー」
それが潤平の本質だし、武器だ。
とまどう潤平をおいてホーミーがなりはじめる。
時間がない。
潤平は踊りはじめる。
手を覗き込むフリで、潤平は異常な表現を見せる。
そのまま踊れなくなって泣き出してしまった。
「最近、感情がコントロールできなくって・・・」
そのままスタジオを出る潤平。
まわりは違和感にとまどう。
こんな潤平は見たことがない。
だれか知らないやつが踊っているようだ。
あまりの違和感にどう判定していいかわからない。
撮影の大原田さんだけが絶賛する。
「あんな顔・・・１５，６歳の子ができるんですね・・・」
バレエの知識ゼロ。
リアクションにとぼしい大原田さんにはまっすぐに伝わっているらしい。