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【#10DANCE #テンダンス #ネタバレ】#4巻#16話

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キスの記憶にもだえる鈴木

鈴木先生が教室でひとり、シャドー練をやっている。
走馬灯のように記憶がよみがえる。
杉木の記憶だ。
10ダンスのチャンピオンを目指すよう誘われてから、
ひたすら練習づけになった日々。
ぶつかりあいながらしだいに距離がちぢまり、ついに強烈なキスをしてしまった。

杉木先生は常に上を目指す。
そのために強烈な意志でみずからを追い込む。
しかし、けして環境に甘えない強さが裏目に出て、
歴代のパートナーたちは離れてしまう。
心身喪失状態の房ちゃんですら強引に踊らせる。

「紳士とはほど遠い」
非人間的な意志力が裏目に出てしまい杉木先生は落ち込んだ。
「ダンスは愛を持って完成する」
師匠のマーサは言ったことがある。
努力すれば努力するほど頂点から遠ざかっていく。

杉木が引退を考えたときに「ダンスの神」が現れたのだ。
ラテンの鈴木だ。
自然で無邪気に踊る。
杉木は鈴木にどうしようもなくみせられた。
おたがい教え合うという交換条件のもとでふたりは近づく。

杉木先生の言葉はもう愛の告白だ。
「やっぱりあなたは僕の憧れ」
「がっかりしたでしょう」
表情はいつもクールなのに、まっすぐに思いをつたえる。

杉木を思い出して、鈴木はのたうち回る。
熱烈なキスをしてしまった。
いったい杉木はこっちをどう思っているのか。
ふたりの関係を壊したくない。
杉木先生を恋しているのだ。

杉木先生がこっちをどう思っているか気になってしかたない。
「想いに差がありすぎる」
あまりに冷静すぎて、真剣に愛されているとは思えない。

鈴木の恋に、アキが感づく。

アキとパートナー練習をはじめるが、鈴木はうわの空だ。
まったく集中できない。
あまりのひどさにアキがブチきれる。
「・・・・マジ、ごめ・・・・。もっかいやる」
ふだんならありえないことだが、鈴木は素直にあやまる。

ふたたび組みあわせた手の先からメッセージを感じてアキが驚く。
「『好きな人ができた』?そういったでしょ?今」
ビンゴだ。
指先からアキはメッセージを受信できる。
鈴木は恋に落ちた。
そのせいでダンスに身が入らない。

真剣な恋だ。
アキはそう感じた。
あくまで真面目に鈴木に尋ねる。
「その人と自分との子供の顔が見えたりする?」
アキにとって真剣な恋はそういうものらしい。
いっしょに暮して子どもを作る。
健康な家族観だ。

気の乗らない鈴木をひっぱってアキはレッスンに行く。
今夜も杉木ペアと練習するのだ。
鈴木は完全に逃げ腰。
ダンス教室の入り口でちらちら中をうかがう。

杉木先生との再会

アキはパーカーのフードをつかんで強引にスタジオにはいる。
杉木先生との再会。
鈴木はドキドキする。
キスの記憶に動揺しまくりだ。

杉木はあいかわらず冷静だ。
ケロッとしている。
頭にも肩にも腕にも架空のカエルをのせてケロケロ言わせている。
「僕が今日平気な顔でいるんでショックなんでしょう?」
それどころか説教タイムだ。
「いいですか。切り替えの早さは武器です」
「あなたも身に付けなさい」
鈴木はほっとするが、同時にガッカリしている。
杉木先生はそれほど自分のことを気にしていないんじゃないかと不安なのだ。
本当に恋していたらここまでクールになれるはずがない。

実のところ杉木も鈴木のことが気になって仕方ないのだ。
レッスン中も体から好意が伝わってくる。
「鈴木先生はちょっと見」
「恋愛は男女どちらでも大丈夫そう」だけど?
アキに問いかけてしまった。

アキはきっぱり否定する。
鈴木が男性を恋するなんてありえない。
こんどは杉木先生のほうが不安になる。
鈴木と踊り続けた記憶が、笑顔とキスの記憶がよみがえって困惑する。
自分たちはどれくらい好きあっているのか。
考えても解決しないとわかっていても止められない。

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