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【#ダンス・ダンス・ダンスール#ネタバレ】#16巻#144話

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ブランコと潤平の再会

ブランコは酔っぱらいのおっさんではない。
いや酔っぱらいのおっさんだけど、潤平の中では神のような存在だ。
昔みたブランコの姿がおっさんの声にかさなる。
潤平は子供の心にかえってブランコを見つめる。

潤平のほほが染まる。
恋する都のような表情になる。
宇宙が爆発するような感覚。
かつてブランコのダンスが潤平の人生を変えたのだ。

目の前のブランコは最悪だ。
よっぱらってクダをまいている。
潤平のダンスを罵倒する。
「俺は今・・・憧れのニコラス・ブランコに、」
「めっちゃディスられてinアメリカ???」

混乱して英語も日本語もぐちゃぐちゃだ。

オルガ先生に連行されるブランコ

あげくブランコは潤平をつかまえてゲロをはいた。
ジャージのなかに・・・
大原田さんが冷静に通訳してくれる。
もう最悪の状況である。

オルガ先生が車でブランコを迎えに来た。
食事代を払い、レストランスタッフに詫びる。
潤平にもあやまって、ブランコを車で連れて帰る。
ブランコはひどい生活をしている。

中村先生たちが駆けつけてきて心配する。
憧れのダンサーの最低な場面をみてショックを受けたのではないか?
しかも潤平のダンスをののしっていた。
いま潤平はひとりシャワー室でゲロを流している。
「・・・きったねえ、おっさん・・・」

YAGPクラシック審査の控室

翌日、潤平は控室でメイクしている。
クラシックの審査がある。
尼崎予選のときは、鏡のなかにブランコが表れて潤平と対話した。
若くて美しい。
自信に満ちたブランコだった。
現実のブランコは中年の酔っ払いだ。

「今日、ブランコ、観てるかな・・・」
話しかけられた中村先生は声が出ない。
潤平はブランコへの思いを中村先生へ話す。

ブランコは潤平の理想だった。
「彼の生き様を、彼の行きてきたエネルギーを」
「しかもありえない強度でくらっちゃったんですよね」
ブランコは潤平の神だった。
そのブランコに潤平は昨夜、完全否定された。
けっこうなひどい言いようで。

中村先生は潤平への悪影響を心配している。
まだ高校生。
若者の感性は繊細だ。
精神的動揺が今日の舞台に響くのではないか。
どうアドバイスしたらいいものやら途方に暮れる。

ハイテンションな潤平

しかし潤平の内面は高揚している。
ブランコに会ったことは悪いことではなかったらしい。
メイクを終えて高笑いする。
感情が高ぶってどうにもならない。

潤平は映画の登場人物になったかのような気分だ。
アメリカン・ニューシネマに出てくる落ちぶれたロックスター。
「死んだ目が一瞬ギラついた・・・」
「あれはまさしくブランコのものだ!!」

昨夜を思い出して潤平は顔を赤くする。
恋してるみたいな感情。
ブランコが会場に来ているかもしれない。
自分の踊りを見て、あの目で見るかもしれない。
潤平はもう映画主人公だ。

中村先生はめっちゃ心配している。
平常心を失うのはけして良いことではない。
こんな不安定な精神状態で舞台に乗せたくない。
しかし対処不可能な状況だ。

舞台上でのトラブル

名前を呼ばれて、潤平はスポットライトの中へ飛び出す。
「うはははは」
全身で笑う。
はじめからハイテンション。
いっぽうで潤平はふだんの自分との違いを感知している。

調子はいい。
上から下までページをはみ出して身体が伸びる。
客席がどよめく。
しかしトラブル。
バランスを崩しシューズのふちを踏んだ。
体勢を立て直してジャンプしたが、かかとが脱げている。

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ダンスダンスダンスール16巻発売日は3月12日

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