新しい武器
カボくんとワンダさんは、公園で練習を始める。
ふたりとも新しい武器を習得中だ。
カボくんは、伊折先輩からハウスを習っている。
ワンダさんは、恩ちゃんからポッピンを習っている。
恩ちゃんがカボくんとのバトルで使った強力な技だ。
「すげえ!!」
「ヒットどうやんの?」
ワンダさんはあっという間にB-BOYたちの注目を集める。
ヒットのやり方
恩ちゃんの教えるヒットのやりかたはこうだ。
「脱力→緊張→脱力」を一瞬でやる。
ドラムのビートひとつ打つあいだに一瞬でやる。
力を抜くのが難しい。
リラックス状態に戻ることができない。
恩ちゃんは自由にヒットが打てる。
触ってみるとそこに心臓があるみたいに波打っている。
腕でやるのがわかりやすいが
筋肉があればどこでもできるという・・・。
胸、
足、
首、
ストマック(胃?腹?)
恩ちゃんが特に練習したのが大殿筋。
ここは筋肉が大きいので効果が高い。
全身にビートを伝えることができる。
筋肉をこう・・・内側から突き上げる感じ
変に突き出したり引いたりしないで筋肉だけで打つ
ワンダさんからの新知識にB-BOYたちが興奮する。
カボくんは自分の練習に集中する。
カボくんも恩ちゃんから一緒にヒットを教わった。
ワンダさんは異常に早く技を習得しつつある。
おいていかれるわけにはいかない。
ワンダさんは必死なのだ。
「世界一を目指してる」
だから学校での練習ができなくなって必死だ。
B-BOYたちがワンダさんと盛り上がっているのは気になるが
カボくんはまず自分のダンスに集中しなければならない。
「俺は俺のダンスをやる」
カボくんかっこいい。
ひたすら即興で音楽に合わせて動き続ける。
曲は相変わらず24Kの「We Have No Enemies」だ。
無垢で真面目な歌詞。
ひたむきだ。
壁ちゃんと伊折先輩も合流
カボ君のダンスもB-BOYの注目を集める。
「モロ初心者って感じだったのに
フリーであんな踊れんのすごくね・・・?」
遠くから見ていた壁ちゃんもわざわざ声をかけてきた。
「いいね」
そのまま拳をつきだしてタッチ。
一凛高校の新しい二人をみとめたようだ。
伊折先輩もやってきた。
「うい」「遅れてごめんね」「やろっか」
あいかわらずひょうひょうとしている。