アルブレヒトをつかむ潤平
オルガ先生のジゼルへ引き込まれて潤平はアルブレヒトになってしまった。
オルガ先生のまなざしにやられた。
ジゼルの死を聞いて潤平は涙をながす。
「その気持のまま、ウィリたちの呪いと自らの悔恨を背負って踊るんだ」
ブランコの指示で潤平は踊り始める。
「大きく進め」
「思い切り跳べ!」
「大きく反らす!」
ブランコの指導どおり体を動かす潤平と
ミルタに思いのままに操られるアルブレヒトがひとつになる。
潤平のノセられやすさが、役のかたちを理解させる。
容赦ない指導はミルタの呪いだ。
舞台下手から見つめるオルガ先生がジゼルの視線だ。
潤平はアルブレヒトと化してミルタへ願う。
「どうか、ジゼルのことを解き放ってくれ!」
「ジゼルの魂が、幸福な光の中に浄化できるのならば
おどり死ぬのも本望・・・」
地面に倒れる潤平。
自分なりのアルブレヒトをとらえられた。
オルガ先生の魔性
目を上げると潤平の目の前にオルガ先生がいる。
素の状態にかえって潤平を観ている。
ノセられた。
プロのワザはやばい。
オルガ先生の魔力発揮。
潤平はまだジゼルのまなざしから覚めることができない。
オルガ先生を見ながら面影をさがしてしまう。
「一瞬でも、今、俺を・・・あ・・・愛・・・」
(愛していたのか?)
「調子に乗んな!」
ブランコのツッコミに、オルガ先生がかぶせてくる
「あなたのまっすぐな瞳にわたしもドキッとしたわ」
バレエで魔性を発揮する。
おかげでアルブレヒトを発見できた。
夏姫のジゼルとイメージトレーニング
潤平は夜になると脳内で復習する。
夏姫のジゼルでやったらどうなるのか。
妄想だ。
手を取るシーンを夏姫がやったらどうなるか?
花占いのシーンではどんな顔をするか?
なぜか潤平が照れる。
「あいつはな!」
「根がな!」
「素直なんだよなーっ」
「結局なーっ」
照れてソファをなぐる。
あくまで妄想だが。
そしてバチルド姫登場シーンだ。
都のバチルド。
実は潤平は都と婚約していた。
目の前で都と潤平の関係を見せつけられて
夏姫は信じられない思いがする。
「なんちゅーおそろしい話なんだ『ジゼル』」
リアリティがありすぎるおとぎ話だった。
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