#ダンス・ダンス・ダンスール#ネタバレ#２０巻#１７２話

更新日：2021年4月29日

ゲイリーのスピーチ

豪華客船のイベントが盛り上がっている。
潤平が出番をまつあいだ、リアーナのライブは
スタンディングオベーションを受けている。
つぎは潤平の出番だ。

ゲイリーがステージに立ち父にあいさつした。
別室に下がろうとする父をゲイリーが呼び止める。
（なんだよ万年反抗期）
家族からみるとゲイリーはいまだにわがままな末っ子だ。
ゲイリーは父とパーティーのお客を当てこするかのようなスピーチをし、
潤平を紹介した。

ゲイリーがパーティーに来るのは初めて。
潤平が踊ることもプログラムには入っていなかったようだ。
ゲイリーから父へのゲリラ攻撃である。
「ほんの１分間だ」
「どうかその一瞬だけ母を想って欲しい」

舞台をセッティングする時間をピアノ演奏がつなぐ。
潤平はパニック真っ最中。
舞台袖でえづいている。
「兵ちゃんっ・・・飛行機代貸して・・・」
「日本に帰る・・・帰るっ！！！」

兵ちゃんは変化の激しさにひいている。
潤平はこんなやつではなかった。
まるで別人になった。
兵ちゃんのなかで潤平の株価が大暴落している。
もめているうちに舞台設営が終わり幕が上がる。

ダッシュで逃げる潤平を必死で捕まえる兵ちゃん。
「逃げんな」「ほらブランコも待ってるしっ・・・」
潤平は鬼の形相で叫ぶ。
「ブランコの代わりなんてできる奴！！いるかー！！」

確かにそのとおり。
しかし今さら言ってもしかたなかろう。
うろたえる兵ちゃんを、なぜか満足げにながめ
潤平は舞台袖から立ち去ろうとする。

兵ちゃんも破れかぶれだ。
とっさに日本の夏姫へつなぐ。
すでに幕は上がっていて、客席がざわめいているのに・・・
夏姫もびっくりである。
潤平がアルブレヒトの衣装をつけてピースサインを出している。

潤平は夏姫にリクエストする。
「アルブレヒトはっ・・・ジゼルのパジャマもお部屋も見たいんじゃ！！！」
潤平は真剣そのものだ。
本番前というよりすでに本番中なのに、夏姫との会話が始まる。
「そんなに私のこと、・・・好き？」
なにやってんじゃ。
兵ちゃんならずとも突っ込むところである。

夏姫はジゼルになって潤平と話し始めた。
ジゼルがアルブレヒトを「許した」理由を
どんな気持ちだったかを夏姫はリアルに語る。
どこまで夏姫でジゼルなのかわからない。
潤平もアルブレヒトに入り込んでしまった。

潤平は感情をむきだしにしている。
無防備に泣きながらたちあがった。
涙がながれて、メイクに跡を残している。
舞台袖からステージ中央を見つめて
潤平は絶叫した。

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